ウィーン その10 ヴェルヴェデーレ宮殿

11月4日(木)
今日は美術館めぐりと最後のお買い物。

まずはベルヴェデーレ宮殿へ。ここはリンクの外にあるので、opera近くの駅で
乗り換え。
壮大な宮殿なのだけど、ここはほぼ美術館として使われているようだ。
天気がすごく良くて、11月だというのに2枚で十分な温度だった。
日本だと5月くらい?の天気。ウィーンは雪も覚悟して重装備にしてきたけど
全く不要だった。
ベルヴェデーレ宮殿は上宮と下宮があって、メインとなる上宮側から
見渡すと少し高台になっていることもあって、リンクがまるごと視野に入る
壮観だった。リンクの中と違ってのんびりした雰囲気の場所なので
時間に余裕があれば散歩やベンチに寝転がったら贅沢な時間をすごせると思う。

美術館の中はグスタフ・クリムトの代表作品群が目白押しなので
近現代ものが好きであれば美術史美術館より気にいるかも。
クリムトは代表作ですが、「接吻」と「ユディト」に圧倒された。
予備知識全くないままクリムトを見たのだけど作品の放つオーラに
しばらくその場に釘付けになってしまった。
バベルも素晴らしかったんですが、クリムトのほうが圧倒的に感じた
私はやっぱり近現代派なんでしょうね・・・。

そのままリンクまでもどってカフェでサンドイッチをつまんで
ミュージアムクォーターへ。ここは美術館博物館ばかりが集まった地区になっている
広さもかなりものので、これだけのものを作れるってすごいなと
最初の小さくてしょぼい国って印象が一変していることに気づく。

ミュージアムクォータではもちろん全部回ることはできないので、一番メジャーどころで
あるレオポルド美術館へ向かう。
ここもクリムト、それにシーレがたっぷりと展示されていて非常に満足出来る展示だった。
しかも特別展でスイスから印象派のメジャー作品がたっぷりと貸し出されていて
日本だったら超満員だろうなと思いながらのんびりと絵を見て過ごすことができた。

ミュージアム内のカフェで日本ではコカインが入っていて発売禁止?になった
レッドブルコーラを飲む。ちょっと薬っぽい味がする以外は普通の味だった。

しかし日本と同じ収入が得られるなら、気候はいいし、治安は(少なくとも大阪よりは)良さそうだし
音楽は安く最上ランクのものが聞けるし物価は安いし交通は便利だし
美術館やオシャレショップにも事欠かないしサービス品質は高いし
完全にパリを凌駕して住みたい都市ランキング1位になってしまった。
まあ小さい街なので長期間住んだら飽きてしまうのかもしれないのだけど
パリの凶悪な物価などを考えると住むにはこのくらいがちょうどいいのかもしれない。
まあ見果てぬ夢ですが。

夜は最後の食事なので、グーラシュを頂く。パプリカたっぷりのビーフシチューなのだけど
この味わいが忘れられなく帰国後も食べられる店を探し回ることをしてしまった。
残念ながら日本で手に入るパプリカは種類が違うらしく同じ味にすることが出来ないらしい。

帰りの飛行機は同じルートなのだけど、フランクフルト~関空間は10時間半程度で到着した。
やっぱり速い気がするので、次もルフトハンザにするべき??

ウィーンその9 買い物の日

11月3日(水)
今日は買い物の日、このために空のカートをひとつ用意してあるのだ。
カメラを持ち歩かなかったので買い物レポートのみ。
以下買ったもの。

■チョコレート
ウィーンの名物のひとつ。前の日記で書いたユリウス・マインルや
altmann & kuhneなどで色とりどりのものが買える。
前者なら欧州じゅうのものが、後者では小さなボックスに
入った食べるのがもったいないようなきれいなものが買える。
あとは、Wiener Schokoladekonig(ショコラケーニッヒ)という
1000馬力くらい出しそうな名前のチョコレート屋さんがあるのですが
この店が店に入った瞬間チョコの匂いが充満するようなお店で
様々なトッピングの乗ったチョコ(なぜか香辛料が多い)を売っている。
帰国してから1日1枚食べるのが楽しみだったのだけど、上質な
チョコってこういうものなのかというのをこれで学んだ。
混ざり物のない、上質な味わいがあるのと、このリストの中では
もっとも安価なので山盛り買ってみるといいと思います。

■お茶
マリアージュみたいなお店があったので入ってみると
SHOGUNとかBUSHIDOとか完全に日本を勘違いした緑茶がいっぱい売っていたのでいくつか
買って帰った。紅茶そのものは日本でも手に入ると思うので逆輸入気味な緑茶のほうが
おみやげとしては面白いのかもしれない。

■雑貨
キッチン関係のもの、塩や胡椒を砕くやつとか、日本でみかけるようなオシャレ雑貨屋が
いっぱいあった。街自体はそれほど大きなものではないんどえ、がんばれば全部見てまわる
ことも不可能ではないと思う。

■食器
これが一番違いを感じた部分。写真にも上げてるとおり、とても美しい食器。
特にグラス類はそのまま輸入するだけでひと財産築けそうなくらい素晴らしいものが
いっぱいあった。
割れる危険を省みず結構ガッツり買って帰ったけど幸い全て無事だった。

■ジャム類
こちらも名産。スーパーとかにいけば人を殺せそうなくらいのでかい棚にフル装填された
ジャムがあなたを迎えてくれるはずです。

■再びムジークフェライン
今日はウェストサイドストーリーのアレンジをやるようだ。
以下はくま兄さんの解説。
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Tonkunstler-Orchester Niederosterreich(ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団)
ウィーンでは5本の指に入る有名オケ。
ミハイル・ユロフスキってロシア人指揮者が20世紀英米作品を振る演目なんで
彼らの本領発揮って訳ではない不思議な感じですが
バーンスタインのウェスト・サイド・ストーリー(あの有名な
ミュージカル映画の音楽の抜粋版です)がメインなんで気軽に聴きやすいかも。
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席は天井桟敷だったこともあって、前回ほどの感動はないものの、音はすごくよく
響いて十分幸せな気分になることができた。チケット代は20ユーロちょいなので
この値段なら毎週のように行ってしまいそうだ。この都市に住んでる人は贅沢だなあ
と思いつつ音楽に浸っていると住みたい都市ランキングがついにParisの上に到達
してしまった・・・。

晩ご飯はコンサート前にカフェでオムレツとホットサンドを食べた。
相変わらずオムレツは固かったけど、なれてきたらこれはこの味わいがありますね。

ウィーンその8 budapest

11月2日(火)
今日はBudapest行き。
初めての旧共産圏に足を踏み入れることになる。
ウィーンは日本並に治安がよくて、夜中にひとりで外出することに
プレッシャーを感じないというすばらしい都市なのだけど、当然ハンガリーは
そんなことはないだろうから緊張して望む。Mitteからのチケットを買ったつもりだったのだけど、実際にチケットは
Meidlingからのものだったので、間に合わないという非常事態に。
あわててチケットを取り替えてもらって、時間を遅らせることで対応できた。
そのかわりにハンガリー滞在時間はほとんどなくなってしまったけれど。

■世界の車窓から
たらったーたー。たーたー。たーたー。
いつもの世界の車窓からです。
今回はウィーン西駅から、ハンガリーブダペスト東駅まで。
同じドナウ川沿岸の都市だけど、電車で約3時間。
華やかなウィーンを離れるとすぐに欧州的な平坦な風景が続く。
ここからハンガリーと書いてあるわけではないのだけど雰囲気がガラっと
変わるのですぐに分かった。
なぜなら、建物と車がはっきりとわかるくらいボロっちくなったからだ。
画一的なデザインの建物をみるとそこに共産圏の面影を見てしまうのは
私の偏見なのだろうか?

少し山がちな風景になってしばらく、Budapest東駅(Keteti pu)に到着。
まず驚いたのはその駅舎そのものが美しいことだた。
これぞターミナルって形のホームがずらりと並んだ上にアーチ状の
天井がかかっている。これだけでもここに来た甲斐があった。

■ハンガリー地下鉄
共産圏ということで構えまくりだったのですが、そんなに危険な雰囲気は
なかった。日本の倍くらいのスピードのエスカレーターにちょっと面食らう
ところはあるだろうけど、普通の都会の雰囲気だった。
その地下鉄に乗り換えて聖イシュトヴァーン大聖堂へ向かう。
そういえばハンガリーはロンドンに続いて世界で2番目に地下鉄が
開通したらしい。東欧ということで意外な気がしたのだけど、実際にの乗り換えで
その最古の路線のホームに立ってみるととてもホームとは思えないくらい狭かったので
なにかの間違いかと思ったのだけど、路面電車2両編成みたいなのがやってきた・・・。
当時のまま今も走っているのね・・・。
そういえば東京も最初にできた銀座線は6両だっけ。

■聖イシュトヴァーン大聖堂
手軽に行けそうなみどころはここしかなかったので、向かってみる。
王宮やブダの丘はアクセスが良くないので難しそうだ。
Bajcsy-Zslinszky ut. で降りて、大聖堂に。
まわりは街中でありながら、大通りから一歩離れたらかなり閑静な雰囲気だった。
さすがに大聖堂系は見慣れてきたので驚かないと思っていたのだけど
今まで見ていたイタリアやフランスのどれとも違っていて見ごたえがあった。
少しオリエンタルな雰囲気が含まれていて、写真をとりながら荘厳な
雰囲気を楽しめた。
フランスみたいな西欧から比べるとトルコの方が近いような地域なのだけど
やっぱりここも欧州なんだなと思ったり、その広さの中でも
地域によって少しづつ違う雰囲気があるところに心が惹かれて
東欧を本格的に回ってみたいなという欲が湧いてきた。

■ウィーンへ
時間がなかったので、そのままトンボ帰り。
駅前でバーガーキングをキメて、のこったハンガリーフォリントで
ビールや水やらお菓子やらを使い切るつもりで買った。
コーラやペプシはともかくハンガリーの街角のショップだと
ジュースやお菓子に見慣れたブランドがないのでおもしろい。
物価も安いので東欧熱が高まりそうになってしまう。

ちなみに地下鉄の切符の査察とかはウィーンでは皆無ですが
ブダペストはやる気満々なので買い忘れには注意。

ウィーン その7 ムジークフェライン

ちょっと休憩してムジークフェラインに向かう。クラシッコの殿堂であるこの
施設も今回の目玉ポイントのひとつ。私はさっぱりクラシックの知識はないのですが
くま兄さんという強い味方がいるため、事前に各地の演目をチェックしていただいて
フランス国立管弦楽団がヴェルティのレクイエムが一押しだったので
チケットを抑えておいたのでした。

館内はさすがに豪華で、かつフォーマルな人が多くて緊張する。
チケットは事前にネット経由で手に入れていたので、メールを印刷したものを
渡すとチケットと引換えてくれた。しかし完全にドイツ語のみで記述されているため
ものすごく席を探すのが難しかったというか、無理だったので案内の人に場所を聞いて
なんとか席がわかった。
フランスやイタリアでは英語が読めればなんとかなったのだけど、この国では
英語表記はそれほど充実しているとはいえないので、英語で話しかけないと
ものすごく不便になる。逆にあるていど話すことができれば人は親切だし、サービスはマメなので
イタリアみたいな下痢便が大半を占めるような国と比べると格段にすごしやすい。

演奏前に白ワインを頂く。こうやってコンサートホールのバーで一杯やると
洋画の1シーンみたいで無駄にテンションあがりますね。

肝心のコンサートは恐ろしい出来で、まったく素養のない私にもその圧倒的な技術
と音の迫力にあっとういう間に2時間が過ぎてしまった。
個人的な音楽体験としてはSummerSonicでのProdigyを超えるものはないと
思っているのだけど、ベクトルは違うものの、感じたパワーには匹敵するものがあった。
100人近くいるコーラスの音量とそれに負けじと鳴らされる楽器隊の
一糸乱れない統率された音は様式美の極限を見るようだった。
帰国後オーディオに対する興味が薄れてしまったのはどれだけ金をかけても
ムジークフェラインでの間近で聞くオーケストラの音を再現することは
不可能だと悟ったからかもしれない。

コンサートが終わると10時を回っていたので、リンクを周回するトラムを回って
アパートメントまで帰宅。
アパートの前にBentoとかかれたそのまま弁当屋さんがあったのでそれを
晩ご飯にする。今日は日本食ばかりだな。
10ユーロもしたけれどこれがおいしい。
少なくともオリジン◯当なんて目じゃないくらい素晴らしい出来だ。
おまけについてきた味噌汁もきちんと具のはいっている素晴らしいものだった。
松屋の味噌汁なんてこれと比べたら下水。
大半の定食屋さんの味噌汁より良い出来のものがまさかオーストリアで
飲めるとは思わなかった。

まあ値段も高いんですけどね。

そのままワインを飲みながら就寝。

ウィーン その6 回転寿司

お昼をどこでたべるか悩んだのだけど、そもそも祭日なのでやっているお店が
非常に限られている。とりあえずハンガリー行きのチケットも手に入れる必要が
あるのでMitte駅へ向かう。駅が改装中でどこでチケットを買うかわからなかったけど
iPhoneで時刻表を表示しながらがんばってBudapest行きのチケットを買う。
あとで気づいたがこのチケットが間違いまくりだった・・・。
駅のそばのモールもほとんどの店が休んでいたのだけど、かろうじて回転寿司もどきが
開店していたので入ることに。食べ放題で休日は15ユーロというよくわからない
料金形態だったけれどとにかく店が開いてないのでどうしようもない。
味もまったく期待していなかったのだけどかなりよい出来だった。
ネタの種類が少ないとか欠点はあるものの出来損ないの100円寿司チェーン
(ス◯ローとかアトムボ◯イとか蔵とか)よりマシなのでは?と思わせる
味だった。これはうれしい誤算。
あと比較としておもしろかったのは、寿司の鮮度を保つためか回転寿司は
チューブ状のループを回っていて、冷蔵庫の中を回っているような形。
二階建てになっていて、二階部分はあたたかいものが回転している。
(主に中華とかスープ系)
店のシステム自体が日本とは違いすぎるのだけど、お茶の種類をたくさん
選べるとか、素敵な部分がたくさんあったので日本も見習ったらよいのでは?
などということを思った。
店内はアジア系の人はいなかったので、アジア食の人気が高いのか、安息日でも
営業しているからなのかはわからないけれど結構この店は流行っているようだ。
となりのカップルが熱心に日本食を褒めているのでちょっと気になって聞き耳を
たてていると、
女「この日本食って食べ物は食べれば食べるほど痩せるんだって!!」
男「マジかよ、そいつは画期的だな。さすがハイテクの国だな。間違いない」

といった会話を繰り広げていたので夢を壊さないようにモリモリ食べた。

この後でも思い知ることになるのだけど、値段が高いことを除けば
日本食は店の数もおいしさも中華を完全に圧倒していたのだった。

写真はお寿司と、本屋さんの漫画コーナー。
日本の漫画が人気みたいだ。

ウィーン その5 シェーンブルン宮殿

11月1日(月)
■シェーンブルン宮殿

今日はシェーンブルン宮殿に向かう。ウィーンの目玉観光名所のひとつで
ハプスブルク帝国の離宮だったところなのだけど、実際は王宮よりもずっと大きい。
ベルサイユ宮殿にいったことがないので比較が出来ないのだけど
庭園も含めると恐ろしい広さであることは間違いない。
内部はそろそろ慣れてきたのでなんとも思わなくなっているけど
いかにも西洋的ゴージャス空間が広がっているのでした。
シシィと呼ばれているエリザベート皇后のエピソードを中心に音声ガイドから
説明が流れていて、説明を聞く限りではどうしようもないダメ人間に
思えるのだけど、なぜか観光の目玉としては人気があるようだ。
悲劇的な話を人は好むのだろうか?
もうひとつの感想としては、フランスやイタリアの豪華さと比べると
ややデザインが落ち着いた雰囲気がするので、日本人としてはなじみやすいかもしれない。

■馬車での庭園遊覧
宮殿前に馬車での遊覧サービスがあって、5ユーロ程度で庭園を1周してくれる。
馬鹿みたいに広い宮殿なのでこういった足がないとつらくてしかたがない。
のんびりとした馬車の速度でまわる庭園はちょうど紅葉がもっともきれいな
タイミングだったこともあって素晴らしい体験だった。
降り積もった落ち葉の上を駆け抜けていく中で広がる光景は名曲アルバム
的な世界で、冬は厳しいかもしれないけれどこういう世界でクラシックは育ったのだな
という空気や世界からくるバックグラウンドが感じられて異国人として
すごく羨ましい気分になった。
おいしいワインやパンを食べてこんなに美しい庭園をジョギングして疲れたら
紅葉につつまれたベンチで音楽を聞くなんて生活、そしてうまい空気
旅行だといいところしか見ないのでどうしても自分の生活する世界が
見劣りしてしまう部分はあると思うのだけどこういった世界を見てしまうと
幸せってなんだろう?
みたいなことを考えてしまう。