2014 スペイン旅日記(8)

2014年9月13日(土曜日)
ティッセン=ボルネミッサ美術館を見たあとサンチアゴベルナベウへ。
これまでみた試合は勝ち負けの予想のつく試合が多かったのだけど、今回のカードはレアル・マドリードVSアトレチコ・マドリード。去年の覇者であるアトレチコ・マドリードとのマドリードダービー。選手も豪華でかなりの黄金カードなので楽しみだった。
当然ながら超満員で、大いに盛り上がったのだけど、紳士のチームという印象の強いレアル・マドリードのホームにもかかわらず今までみたどの試合よりも観客席はガラが悪かった。とりあえずそのへんでウィスキーラッパ飲みだしみんなタバコ客席で吸いまくりだし甲子園の外野席より雰囲気が悪い、、、、。
試合は豪華メンバーだけどまったく機能していないハメル・ロドリゲスとベイルのいるレアル・マドリードよりも堅実で厳しいディフェンスを誇るアトレチコがあっさりと叩きのめす展開になった。ざまあみろ。(バルサファンのバイアス)

IMG_2107 IMG_6487※さすがに超満員

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2014 スペイン旅日記(7)

2014年9月12日(金曜日)
この日は迷ったのだけど、エル・エスコリアル修道院へ。
長距離バスにのってマドリード近郊にある。
観光地としての価値は時の権力者がどれだけ浪費したかでわかると少し前に書いたのだけど
それを象徴するような巨大な修道院だった。
ここを訪れるだけで当時のキリスト教会がどれだけの力をもっていたのかが分かる。
宮殿としても利用されていたようで、昔の図書館などもあって王宮よりも楽しめた。
いわゆる西洋的な豪華建築を楽しみたいならマドリード近くならここが一番かと思う。

IMG_6456※中は撮影出来なかったのだけど、かなり巨大なので見どころがたくさん

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IMG_2088※お肉は微妙だったのだけど、焼いたトマトが強烈な旨さ。果物やトマトの素材が違う

帰りにサン・ミゲル市場近くでバルを回ったのだけど
市場の牡蠣や貝類が生で食べられて日本人にはたまらない味だった。
スペインではクリームやソースといった味付けで勝負というよりは日本的な素材をそのまま楽しむような料理が多く、一品が比較的小さなこともあってEU諸国では一番食事が楽しめた。

IMG_2095※茹でたタコ

IMG_2094※マッシュルームに生ハムとにんにくを埋め込んでオリーブぶっかけ鉄板焼き。ビールに合う

IMG_2093※上等な生ハム

IMG_2092※ビールと付け出し

 

2014 スペイン旅日記(6)

2014年9月11日(木曜日)
今日はバスにのって市内観光。
観光バスに乗ると今日は早じまいだけれどそれでもよければ乗るかい?
と言われて、どうしてなんだろうと思ったのだけどそれは後ほど明らかになる。

街をバスで眺めながら海沿いを走ったり、グエル公園などを見て回ったり。
日本を超える暑さなので歩くとぐったりしてしまうのだけれどとても美しい街だ。

IMG_6402※サッカーの練習場。さすがの芝。

IMG_6406 IMG_6395※とにかくスペイン国旗は皆無。カタルーニャの旗ばかり。

IMG_6422※グエル公園(1)

IMG_6415※グエル公園(2)

早じまいなので、カンプ・ノウは飛ばしてよいか?とバスガイドが聞いてくる。
試合もないので、みんな頷くので少し気になったのだけど同意しておく。
バスが市街中心部に向かうとそれまでも少し見かけていたカタルーニャの旗をもった人がどんどんと増えていく。
市内の中心に向かって歩いている。興奮したデモとは違ってみんな楽しそうに旗をもって街を練り歩いている。
カップルは旗をもって芝生に寝転び、子供は旗をマント代わりにして走り回る。
笑顔で作られる革命運動というものがあるとしたらこれがそうなのだろうか?
バスを降りてホテルに荷物を取りに行く時にはカタルーニャの旗は街を埋め尽くしていた。

IMG_6430 IMG_6431※カタルーニャの日

IMG_2081※帰りのAVEで出たおやつ。

 

IMG_2085※マドリードに帰って食べた酢漬けイワシ

IMG_2084※ハズレのムール貝(痩せてる)

IMG_2083 IMG_2082※意外に揚げ物って少ない

2014 スペイン旅日記(5)

2014年9月10日(水曜日)
今日はバルセロナへ行く日。
前日のトレドで駅のことは把握してあったので、余裕をもってAVE(新幹線)へ乗り込むことが出来た。

IMG_2053※一等車なのでラウンジでくつろげた。こういう経験は初めて。

IMG_2044※新幹線。やはりごつい

IMG_2057※1等車なので軽食が出た。本質的なうまさとは別に列車の食事というだけで楽しめる

バルセロナの印象はとりあえずマドリードにはない湿気があること。
日本ほどではないにせよ、カサカサに乾燥していたマドリードとは全く違ったネットリとした湿気があるため
歩いているだけで体力が消耗していく。
まずはAVEの社内で予約しておいたサグラダ・ファミリアへ。
サグラダ・ファミリアは予約しておいた時間に入るシステムで、そうでないと絶望的なチケットの列に並ぶはめになる。
どのくらいひどい列かは、Google Streetviewをみてください。私はこれを見て心が折れました。

サグラダ・ファミリアはすごい威容で、外側の荘厳さは暑さを忘れるほどだった。
内部は現代的で少し私の趣味とは異なっていたのだけど、これだけ色々なスタイルが試された教会建築において他の何にも似ていず、そして素晴らしい。

IMG_2059※あんまりお腹が減ってなかったのでサラダだけ

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その後はピカソ美術館へ。
エアコンがないとすぐに参ってしまいそうな暑さだ。

ピカソ美術館は、若いころのピカソの作品がたくさん所蔵されていて、いわゆるキュビズム作品になるまでの
変遷を見ることが出来た。
私の好みとしては、という前置きになるのだけどキュビズムは苦手なのでこちらの初期の作品のほうが良かった。
例外的にキュビズムなラ・メニーナスは元ネタをプラド美術館で見ていたのですごく良かったのだけど基本的には
やはり苦手なのでした。

■バルセロナという街について
私はたまたまサッカーが好きで、バルセロナというチームに魅せられたこともあってこの街の事情を少し調べたことがある。
ヨーロッパにはよくあること、というよりは日本のほうが異質なのかもしれないけれど初めから1つの国だったわけではなく、いくつのかの国があり、強国が他の国を征服したりされたりするうちに今の国になった。
イタリアやイギリスも同様の成り立ちをしている。このため国内は一枚岩というわけではなく深刻な対立がある。
特にスペインに関しては世界史という大きな枠から考えればつい最近まで独裁者がいて、バルセロナには抑圧されてきた歴史がある。実際にその体験をした人が今も生きている。
そんな背景があるので、この街ではスペインの国旗を見ることがない。あるのはカタルーニャの国旗ばかりだ。
街を歩いているとあらゆるところで目にする。
異邦人の私にとっても、この旗はこの街がスペインではない!と訴えかけているように写った。
実際に訪問していたタイミングで住民投票があり、本当にこの地域が独立してしまう可能性があるようだ。

夜はパエリアとサングリア。ここのサングリアが一番うまかった。
相変わらず1リットルだけど。

IMG_2077 ※見た目とうらはらに微妙IMG_2076 ※最高にうまいサングリア 暑さがさらに味を引き立てる IMG_2075  IMG_2073

IMG_6392※ホテルの部屋。テラスを出たらプールだった

2014 スペイン旅日記(4)

2014年9月9日(火曜日)
今日はトレドへ向かう。駅の構造やスペインの電車のしきたりが分からなかったので、30分前に到着したのだけど
それでも乗り遅れそうになった。
とりあえず長距離列車(都市交通以外)に乗る場合は、航空機のようなチェックがあるのでそれを
通過しないとホームにたどり着くことができない。
他の国だとそもそも改札すらないのがスタンダードなので、激しいローカルルールの洗礼を浴びました。
やっぱ治安悪いだろここ。

IMG_2044※電車。ごついので迫力がある。

IMG_2045※駅の中。エスニックな雰囲気。

車窓から見るスペインの大地はフランスの緑やドイツの森とは違って、茶色い岩石と土に覆われた
荒れ果てた風景だった。ヨーロッパというよりは、メキシコだとか、アフリカという名前から想起される
雰囲気が近かった。

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トレドについて、最近どこにでもある観光地をぐるぐる回るバス
(※便宜的に赤バスと個人的に呼んでいる)に乗って、街をとりあえず一周してみることにする。
さすがの観光名所なだけあって、大航海時代を思わせる雰囲気の建物が街中を覆い尽くしていた。

IMG_6226※これが駅

IMG_6228※駅前

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街を取り囲む川と、当時のままのこっている石のアーチ、水道跡などが自動車や鉄道がなかった時代をそのまま
残していて、マドリードの都会的な景色とは対照的な景色だった。
日本は狭いのでどうしても近代的な建物と古い建物が共存する形にならざるを得なくて
ここやヴェネチアのような街全体をテーマパーク化したような場所を作ることが出来ないので
こういったところを訪れるとどうしても羨ましく感じてしまう。

IMG_2040※ガスパチョ。適当に入った店なので味も乱暴だった。IMG_2041※パエリア。こちらもジャンクな味。

2014 スペイン旅日記(3)

2014年9月8日(月曜日)
今日は美術館めぐり、とりあえずプラド美術館へ。
チケットは手に入れてあったので、開館を待ってすぐに入館。
ここはルーブルなどと比較されることも多いのだけど、実際の大きさそのものはほどほどなので、午前中くらいあれば
ひと通りは見て回ることができた。というかルーブルが異常すぎるだけか。あれはホントにラストダンジョン。
感想としてはゴヤの裸/着衣のマハと、ラ・メニーナス以外あまり記憶が残っていない。ただしラ・メニーナスは本当に素晴らしくて30分近くは絵の前でずっと眺めているくらい素晴らしかった。超有名絵画だけがもつことのできる、その部屋にいる人に熱気を与えるような力、人の目を惹きつけて離さないような魅力があった。ベラスケスの絵は他にも見たのだけど、これだけは何かの偶然が重なったのか、悪魔に魂を売ったか、人の生き血を啜ったか、女に振られたか、カルトに入信したか、なにがあったのか分からないのだけど、才能のある人が一生に一度の大ホームランを打ったら宇宙にまでぶっ飛んで人工衛星に突き刺さったかのようなトンデモ作品だった。

ちなみにエル・グレコは良いヒットをたくさん打つ、みたいな印象でした。

IMG_6215※プラド美術館の前の小道。木漏れ日が美しい。

IMG_6203※Open前なので空いてる

プラドの後はソフィア王妃芸術センターへ。完全にゲルニカ目当て。
ゲルニカ自体は鳴門でレプリカを見ていて、特になんとも思わなかったのですがこれだけの有名作品であれば本物をみれば至高の体験が約束されているに違いない!と鼻息荒く向かったのですが、やっぱり本物を見てもなんとも思わなかったのでクソだと思います。

IMG_6217※入り口。

夕食はバル巡り。一品一杯だけで次の店、みたいなスタイルの飲み方も問題なく、それを見越して数種類しかメニューのない店もある。こういう文化が日本でも流行ればいいのにね。
IMG_2028※海老専門店みたいなバルのアヒージョ。ひと味違った。素材の差を感じさせる味。

IMG_2027※エビの塩焼き。こうしてみると和風。

IMG_2026 IMG_2025※これもムール貝専門店みたいなバルの一品。比べるとわかるが、身が太くて美味しい。ハズレだとスカスカなので。
スーパー事情
アパートメントタイプのホテルをいつも利用するので現地のスーパーで色々買い込むのが好きなのでだけど、スペインはユーロ圏の中ではぶっちぎりに物価が安かった。ざっくりと以下のような感じ
・ビール 350ml 1ユーロ以下
・ハム1パック 1ユーロ前後
・パン一袋 1.5ユーロ
・サラダ袋 1.5ユーロ
・ヨーグルト 6カップ 2ユーロ

ざっくりとした感覚でパリの半額くらい。非ユーロ圏のチェコ以下かもしれない。
ちなみにホテル代やレストランの費用は他のユーロ圏と同じくらいだったので気をつけよう。

IMG_2029※スーパーで買ったもので朝食。

2014 スペイン旅日記(2)

2014年9月7日(日曜日)
最初は王宮。
中身はいつものハプスブルクっぽい建物なのだけれど、西洋諸国によくあるような殺人的な広さではなくほどよい大きさなので全部回ることができた。
ヨーロッパの国はどんな国でもだいたい黄金期があるので、その時の権力者がいかに浪費しまくったかによって観光地としてのレベルが変わってくるのだけど
スペインの場合はいわゆる大航海時代で、その時の遺産が観光地になっている。

IMG_6138※とりあえず大混雑IMG_6133※表はこんな感じ。ウィーンよりは小さくてつつましいIMG_6151※王宮の西側は森に囲まれている

昼食はスペイン名物の市場。カナッペをいくつかと軽くビールをキメる。
どうしてもヨーロッパだと大皿料理になりがちなので、こういった小品をたくさん
つまめるタイプの食事ができるのは日本人の心をくすぐるものがある。

IMG_2007※カナッペ。見た目どおりとても美味しい。IMG_2005※こんな感じでお店が並んでいて屋台のように買うIMG_2006※なぜかどら焼き
王宮の後は街をバスで回る。
2階建てのオープンパスが街の中心をぐるぐる回っているので、これに乗って街の中心部を
ぐるっと一周していみる。暑さにめげそうになるけど、乾燥しているのでなんとか耐えられる。しかしイタリアとか比較にならない強烈な暑さである。アフリカと言われても信じてしまいそうだ。
IMG_6189※サンチアゴベルナベウ

夕食は近くの人気の店で生ハム・ガスパチョ・パエリア。お酒はサングリアをキメた。
どれも素晴らしくおいしい。
サングリアは日本の居酒屋で飲んだ時の安物のワインをごまかすための甘い味付けの酒というイメージしかなかったのであまり期待をしていなかったのだけど、良質なフルーツがふんだんにブチ込まれて、キンキンに冷やされた状態で飲むと同じ飲み物とは思えないくらいおいしい。甘みがあるものの、ネットリとした嫌な甘みではなく、売れ頃の高級フルーツを吸い込んでいるような素晴らしい味わいだった。おかげで帰国してからもサングリアにハマることになる。

IMG_2014※生ハム。ちょっとこってりしているけど美味しかった。

IMG_2013※とりあえず注文の1単位がこの量はおかしいと思うんです

 

IMG_2015※パエリア。思えば最初に食べたこれが一番美味しかった。

 

 

IMG_2012※ガスパチョというトマトの冷製スープ。スペインの暑さが冷えたスープの美味しさをさらに引き立てる。

2014 スペイン旅日記(1)

2014年9月6日(土曜日)
サッカー、闘牛、エル・グレコ、ガウディ、イスラム建築。
海外旅行も回数を重ねていると初めて行くときのような高揚感はなくなってしまって
あまりその国の文化や成り立ちといったところまで調べるようなことはしなくなってしまう。
特にスペインのようなよく「名前」を知られている国だとさもその国のことを分かっているような気になってしまっているところが
あるのだけれど、実際に行ってみるとそんなぼんやりとした僕のイメージとは全く異なった
素晴らしい体験をすることができたのでその思い出をここに記しておく。

行きの飛行機はいつもどおりにアムステルダム経由。マドリードに到着した最初の印象はヨーロッパとは
思えない強烈な暑さ。大阪とあまり感覚が変わらないのでは?という印象。
もう19時を回っているのにこの暑さだと昼間が思いやられるなどと考えていたのですが
この時点で既にこの国というものを見誤っていたのだった。

ホテルはGrandViaのすぐそばの便利な場所にした。
私のホテルの選択基準は

・駅が近い
・部屋が広い(アパートメントタイプ)
・中心街に近い(移動距離が短い)
・買い物スポットが近い
・近くにスーパーがある

としている。特に駅の近さは重要で、普段の生活よりも疲れるので
ご飯のために電車で他の場所へ、といった元気がなくなってくるので
行動の幅を広げる、という意味では非常にオススメです。

治安についてはEU圏の中では最悪という事前情報だったので
身構えていたせいかもしれないけれど、道を歩くときの圧迫感(つまり嫌な予感)や
どこからか生ごみの腐った匂いが立ち込めていたりして少し不安を感じた。

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ホテルの部屋 超でかいベッド。

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アパートメントタイプなのでキッチンと洗濯機がある

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リビング。超広いが、疲れてベッドに倒れるだけなのでろくに使わなかった。